書棚の1番上に、オルゴールを見つけました。
いつもそこにオルゴールがあることは意識していましたが、わざわざ手に取ってネジを回すということはありませんでした。
でも、2〜3日前、本棚を片付ける必要があって、私は棚のものを全て取り出したのです。
50年以上前に買ってもらった、すっかりアンティークなオルゴール
箱の部分は漆塗り。
中にバレリーナがいて、ネジを巻くとクルクル回ります。
曲名は、シューマンのトロイメライです。
中には鏡も付いていて、バレリーナの両側の赤い窪み部分はアクセサリーが入れられるようになっています。
年季の入ったオルゴールは大事な思い出の品
それを買ってくれたのは、祖母でした。
当時私は小学校の高学年。
祖母は確か、75歳くらいだったでしょうか?今でいう後期高齢者です。
オルゴールを買ってもらったきっかけというのは、どうということもないのですが、私が学校で何かの賞をとったから。
意外にも1番喜んでくれたのが、祖母だった
私は子供の頃から、決して人懐っこい子どもではありませんでした。あまり自己をアピールもしないし、どちらかというと言葉足らずな子ども。
一方、年齢の離れた姉はとても人懐っこい性格で家族、友人、親戚みんなから愛されていました。
なので、祖母と姉はとても仲良しでしたが、私の場合は微妙な感じ。
ですから、その時祖母が私に、[偉かったなあ!ようやった!]と労いの言葉をくれたのも意外なことでした。
憧れの存在だった、オルゴール
褒美に何か買ってあげよう、と祖母は言いました。
そこで私は即座に、[オルゴールが欲しい!]と答えました。
当時、オルゴールは知っていたけれど、あまり実際に見たことはありませんでした。
テレビドラマか何かで、裕福な家の子どもが持っている、そんな感じでした。
売っているお店も、デパート。
わたしの住む場所は田舎だったので、すぐにデパートに行けるわけでもありません。
なので代わりに母が買いに行き、お金は祖母が出してくれることになりました。
その日から私の宝物となったオルゴール
小さな綺麗な箱からいつでもメロディが流れるというのは、私にはこの上なく素敵なことでした。
中に入れるアクセサリーは持っていませんでしたが、このオルゴールが私の大切な宝物。
当時のお金で確か2千円。
70代の祖母が自分の年金で買ってくれたオルゴールでした。
祖母の年齢に近づきつつある今、思うこと
自分の年金からお金を出してくれた祖母。
オルゴールを貰った時、私は祖母にちゃんとお礼を言っただろうか……?
嬉しい気持ちも感謝の気持ちもとても強かったけれど、きちんと伝えられたか自信はありません。
でも、私はこのオルゴールを50年以上も大切にしてきましたよ。かなり古びてしまったけれど、ネジを巻くとちゃんとメロディが流れます。
私が生きている限り、このオルゴールと共にいよう。
思い出の詰まった私の大切なもの…よかったら見ていってくださいね。


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