私の大好きなドキュメント番組、ドキュメント72時間です。


これらの記事も、ドキュメント72時間を観て書いたのでした。
今回のテーマは、「1円パチンコに哀歌あり」
東北のパチンコ店が舞台です。
72時間の間には、様々な人が店を訪れます。
特に印象に残った人々とその背景
特に私の印象に強く残った人がいます。
その人は、取材の人が「ここはうるさくないですか?」と問うと、パチンコを始めると何も耳に入らなくなる、完全に「無」の状態になるのだそう。
7年前の大震災の被災地であることもあり、家族も家も全て失った男性。
ここでパチンコをしていると全てを忘れていられる、と。
またある女性は、孫が小さい時は孫の送り迎えや世話をして、やることがあったが、孫が大きくなり滅多に訪れなくなると、やることが何もなくなった。
仕方がないので、ここのロビーで知恵の輪をやったりゲームをして過ごす、のだと。
他にもいた、家にいてもすることがない人、家に帰っても誰もいないという人。
彼らは皆、後期高齢者と言われる年齢の人達。
一人暮らしという人はいっぱいいるが、友達がいれば、それはなんとかなること。
でも、一人で楽しめることがないというのは、悲しい。
せっかく平均寿命が延びて、まだまだこれから人生を楽しめる時代。何もすることがないからとパチンコ店でひたすらお金を遣うというのはちょっと寂しすぎる……。
パチンコは必ずしも悪ではない
パチンコが悪いと言っているのではありません。
残り10年なり20年を何も考えず、ひたすらお金を遣って時間を消費するだけというのが勿体ないな、と思うのです。
もっと歳をとってからも仲のいい友人と元気に交流できるように、また、家でひとりでも退屈しないですむよう、できるだけ長く元気でいたいものです。
でも中には、嬉しい出会いもある様子。
シングルファーザーが友人の紹介で知り合った女性と愛を育み、近々結婚するのだそうです。
二人で夜の1時間だけパチンコを楽しみ、中学生の息子が寝て待つ家に帰っていく……。
息子のことも大事にしながら、一時間だけガス抜きの時間。
パチンコ店に来るお客さん達には、色々な人生が見えるのです。
40年ほども昔になる唯一のパチンコの思い出
パチンコというと、実は私は1度だけやったことがあります。
大学3年の秋でした。
2か月くらいあった教育実習が終わり、私と友人は二人で初めてパチンコをやってみようということになり、二人でパチンコ店に行きました。
今の女子大生は皆お化粧したりお洒落をしたりで大人っぽいですね。
だけど田舎の昔の女子大生だった私達二人は、高校生ぐらいにしか見られなかったようです。入り口で、年齢を聞かれ、学生証を提示してやっと中に入れてもらえました。
パチンコそのものについては全然記憶がありません。
1000円遣ったと思います。
でもきっとあっという間に終わってしまったのでしょう。
それが、私の人生で最初で最後のパチンコ経験です。
世間的にはマイナスイメージの強いパチンコ
パチンコは、働かない人がやるイメージとか、ハマりすぎてギャンブル依存症の人がいるとか言われたりもします。世間一般で言うと、どちらかといえばマイナスイメージの方が強いと思います。
でもきっと、パチンコをする人達には、彼らなりの理由があるのでしょう。
大当たりをして玉がジャラジャラ出てくると、知らない客同士でも幸運を喜びあう彼ら。
そこにはとても温かく人間的な空気が感じられます。
大震災の爪跡はまだ消えてはいないけれど
パチンコがこれほどまでに人々の心を癒しているのは、パチンコ店が人々の逃げ場となっているからなのでしょう。
本当に様々な事情を抱えた人々がやって来るのです。
完全に元通りにというわけにはいかないでしょうけれど、早く彼らの生活が元通りになってほしい。
そう祈らずにはいられません。
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