これまでに、いろんなお店でいろんな洋服を買ってきました。だいたいは自分の趣味で、自分の直感に頼って洋服を選びます。
殆どの店員さんは、「そのお洋服、お客様にとてもお似合いですよ~」って感じに肯定的でした。
私が初めて出会った、似合わないものを似合わないと言う店員さん!
その店員さんは、BENETTON(ベネトン)というお店の方でした。
ベネトンは、イタリアのカラーセンスが光る、どこか明るい感じのする洋服が多く、お値段もわりとリーズナブルなお店。
ある日私は、ニットのカーディガンを買おうとしていました。
色は、緑系、茶系、オレンジ系、ブルー系とあり、ウール100パーセントのしっかりとした編み地、とても暖かいのが気に入りました。それに加えて、さすがイタリア!という感じの模様編みが白糸で編み込まれていて、とってもおしゃれなのでした。
デザインは気にいったが、さて、どの色にしよう……迷った私
私は茶系のニットを手に取っていました。
でも、店員さんは、茶系じゃなくてオレンジ系の方が似合うと言うのです。
え~っ、と思わず声が出ました。
茶系でほぼ決まりかけているのに、それを覆されたのですから。
店員さんは、なぜ茶系よりオレンジ系がいいか、説明をしてくれたのですが、その内容は忘れてしまいました。
なぜか説得力のあった店員さん!
結果、オレンジ系を買った私。
店員さんのアドバイスに従って、全然後悔はしませんでした。茶系が似合わなかったのは、きっと私が好きでもないのにただただ無難な色を選ぼうとしていたからなのでしょう。
以来、私はオレンジ系が大好きになり、今やオレンジは私にとって攻めの色となりました。
似合うと言われてオレンジが大好きになった私
後日またベネトンに行った時、私は彼女に言いました。
「オレンジ系を買って本当に良かった!すごく色のセンスがあるんですね」と。
彼女は特に自慢そうでもなく、淡々とこう言いました。
「なぜかはわからないけれど、感覚的にわかるんです。私はいつも誰にでも、似合わないものは似合わない、と言っちゃうんですよ」
私は心を打たれました。
客に買わせることだけが目的なら、きっと黙っていてもどれかを買ったでしょう。それを、わざわざ否定して、オレンジ系の方が似合う、と言ったのですから。
もしかしたら、あの時、気を悪くしてお店を出ていたかもしれません。
商品を売ることよりも、客のためを思ってくれる店員さん
私は思いました。この店員さんは信用できる、と。
その後もちょくちょく私は通いましたが、そのうち、彼女はお姑さんの介護をしなければならなくなり、退職してしまいました。
彼女の後任は別の女性に変わり、やがてむさ苦しい中年のオジサンとなり、私はベネトンには行かなくなりました。
そのオジサンスタッフは、とてもファッションに関わる雰囲気の人ではなく、ただの用心棒みたいな感じでしたので、その店には魅力を感じなくなってしまったのでした。
そしていつの間にか、ベネトンは無くなってしまいました。
今はベネトンの洋服は全然手元にはありませんが、あの信頼できる辛口の店員さんのことは、時々懐かしく思い出すのです。
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