息子の親友との出逢いと別れ

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昔むかしの思い出話
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スマホが連絡の手段となってしまった現代

 

地域の住人であれば自治会等の名簿があり、会社や学校であれば従業員や生徒の連絡簿があります。

でも、現代の若者は、スマホだけで繋がっている場合が多いでしょう。私の息子もそうでした。

 

 

今は20代後半となりましたが、彼が高校に進学した時、大っぴらにではありませんが、皆携帯で連絡を取り合っていたものです。

 

学校の緊急連絡簿はありました。でも、「緊急」で伝える時のみで、それ以外、親同士が連絡を取り合うこともありません。

息子達は、各々の携帯にお互いの携帯番号やメールアドレスを登録していたので、専ら連絡は携帯だったのです。特に仲良くしていたのはK君という同級生の男の子。

 

 

よく我が家に遊びにきていた息子の大親友、K君。

 

父親が転勤族だったため、K君は高校も急遽、転勤先にある高校を受験し、息子と同級生となりました。本来ならもっと偏差値の高い高校に受かっていたのに。

でもK君は1年で高校を退学してしまいました。

 

 

前から学校を休みがちだった彼ですが、別の友人と息子を含めて3人で、その後も交友は続いていました。

毎年今ぐらいの時期にはよく我が家に泊まりがけで来ては、3人で楽しく過ごしていました。

毎回カレーを大量に作ってサラダと一緒に出すと、野菜嫌いのもう一人の友人の代わりにサラダを平らげていたっけ。

 

とても礼儀正しく、理知的で、本当に好感の持てる青年
年齢のわりに落ち着きがあり、ちょっと老成した感がありました。
高校を退学してしまったけれど、大検を目指していたK君。

 

 

息子が大学3年の5月、知らせはもたらされた

 

息子が大学から帰ってきていきなり玄関で叫んだのです!

「Kが死んだ!」

 

台所にいた私は一瞬耳を疑いました。

聞き直すと、あのK君が亡くなったと言うのです。

息子が暫く音沙汰のなかったK君の携帯に電話をしたら、彼の弟さんが電話に出て、そう言ったそうです。

その後息子はまた電話して詳しい事情を聞こうとしました。

 

3月のある夜、K君は突然に亡くなったんだそう。

知り得たことは、彼には持病があり、「ブルガダ症候群」という珍しい難病だったこと。その病気のせいで学校を休みがちだったのです。

 

それ以後は弟さんとも連絡がつかなくなってしまいました。きっとK君の携帯は解約されたのでしょう。
実家も退学後に引っ越したらしく、私達にはどうやっても連絡をつけるのは無理でした。

 

 

せめてお墓参りをしたい

 

息子は母校の担任の先生に聞きにいきましたが、在籍時の住所しかわからないとのこと。
警察署にも相談に行きましたが、個人情報なので教えられない、と。

 

以来、息子も私もお墓参りを諦めてしまいましたが、もし叶うことなら、このブログをK君のお母様か弟さんが読んでくれたら、と思うのです。

 

私達はお葬式にも行けませんでしたが、あなたの息子さんの死を心から悼んでいます。

そして、あなたの息子さんは、本当に素晴らしい息子さんでした、と彼のお母様に言いたい。

 

 

パソコンに強いK君は、息子のパソコン選びも手伝ってくれ、お陰で、いいものを低価格で手に入れることができました。もうそのパソコンは壊れてしまったけれど、息子はまだ大事に保管しています。

 

 

たったの20年と数ヶ月の短い人生

 

K君の人生は、たった20年と少しでした。

彼はうちで息子達と過ごしている時は幸せだっただろうか……?

時々私は考えるのです。
あまりにも早く神に召されてしまったけれど、これからも息子の心の友でいてね。私達は君のこと絶対に忘れないよ。

息子に代わって、私はK君に話しかけるのです。

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