今日は、山口で行方不明になっていた男の子の捜索に協力された、尾畠春夫さんのボランティア精神について書かせていただきます。
帰省家族を襲った不安
お盆に帰省していた一家に大事件が。
2歳の男の子が行方不明になったのでした。
新聞やテレビのニュースで皆さんもご存知のことでしょう。
警察も地元のボランティアの方たちも、総出で捜索を開始して3日目。
ニュースから私も目が離せなかったこの2日間
- 2歳という年齢
- 夏とはいえ山の中
- 3日目になったこと
これらの条件を考えると絶望的でした。
72時間以内に発見できるかどうかで生存確率が大きく左右されるというリミットもありました。
見つかってほしいけれど、生存は無理かもしれない……。
私は悲報を怖れていました。
3日目に起こった奇跡
何気なくスマホのニュースを見たら、なんと、2歳の藤本理稀くんが発見されたとのこと!
しかも元気に!
私は胸をなでおろしました。
理稀くんを発見したのは、尾畠春夫さん
大分からわざわざ捜索に来られた78歳の男性。
前日捜索のために車でやって来たんだそうです。
そして山に入ってほんの半時間ほどで理稀くんを発見。
知れば知るほど頭が下がる、尾畠さんの立派さ
尾畠春夫さんは、65歳まで魚屋を営んでいたが、魚屋を辞めた後、ボランティアに身を投じたのだそうです。
「今まで自分が生きてこられたのは、周りの人から助けられたから。万分の一でも恩返しをしよう!」
と思ったのだとか。
彼は、2004年の中越地震、2011年の東日本大震災をはじめ、熊本、広島などでの災害地域でボランティアとして捜索活動をしてきました。
驚くほどのフットワークの軽さ、そして無欲さ
78という年齢。
78歳1人でどこにでも人助けのために飛び回ることは、なかなかできません。
今回も発見の前日に、車を運転して山口まで来たのだとか。
私などは行動力がないものですから、何とか助かってほしい!と祈りながらも、
[今自分が出向いても、他の人が助け出しているかもしれない]
或いは、
[もう手遅れかもしれない]
と最初から行動を諦めてしまいます。
それを、必ず自分が助ける!と決心してすぐに行動に移すのは、誰にでもできることではありませんよね。
さらに驚かされた、尾畠さんの経験から来る叡智!
尾畠春夫さんには、今までの数々のボランティア活動で学んだ色々な知識があります。
例えば、小さい子は山の上の方にいるはずだという、彼の中での法則。
そのおかげで、あっという間に理稀くんを発見。
尾畠さんが捜索慣れしている証拠のひとつに、飴玉を何個も携帯し、理稀くんに与えていたことも挙げられますね。
3日近くも食べ物を口にしていない、エネルギーの切れた体を考慮しての行動。
インタビューを聞いていると、何から何まで行き届いている尾畠さんなのです。
しかも!
理稀くん発見の興奮も冷めないというのに、彼はもう次のボランティア先に出向く予定があるとのこと。
尾畠さん自身にとっては、手柄でも何でもなく、当たり前の行為なのでしょう。
本当に素敵な78歳です!
尾畠さんのようになるのは難しいけれど、彼のような立派な精神の持ち主になりたいものです。
酷暑、台風、豪雨、凶悪犯の脱獄……。
嫌なことばかりの夏でしたが、尾畠さんのおかげで、希望が生まれたような気がします。
尾畠さん、いつまでもお元気で活躍してください。
ありがとう。
私も何億分の1かもしれないけれど、尾畠さんを見習いたいと思います。
世の中には様々な老人がいるものです。

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